ROMA

 Netflixオリジナル作品『ROMA』を観るために、隣町の僻地にあるイオンまで行った。ちょっとした小旅行だった。早朝に起き、コンビニで軽食を買い、満員電車に揺られながら、目的地まで様々な考え事をしていた。映画館は平日の午前中ということもあり閑散としていて、箱の入りが気になった。普段から前列で観ることが多いが、自分より前に座っている人は誰もいなかった。結果として、集中して映画を鑑賞できた。

 

 『ROMA』の内容はさることながら、デジタルモノクロームの色調と劇伴が相互的作用をなしていて、凄惨な描写が幾つかありながらも、鑑賞後は暗澹とした気分に陥らなかった。鑑賞中は悲哀に満ち、主人公クレオに若干感情移入する場面はあったが、映画館を出た後は、歩きながらクレオの今後の幾つかの未来を想起していた。今後もストリーミング配信された映画でも、映画館で鑑賞できる機会が訪れることを切に願う。

 

 直接は関係ないが、ストリーミング配信された作品故か、劇場予告が少なかったのが良かった。劇場予告2本という短さは、今迄で一番短いかもしれない。また、馴染みのNetflixの赤字が、作品への配慮もあってか灰色の「N」だった点も好印象だった。逆に、オープニングクレジットとエンドロールが白字で視認性は良くなかったが、これは意図的にデザインしているのかもしれない。